* 最新の行動経済学の研究成果によると、このような人間の心理や行動は「現状維持バイアス(Status quo bias)」で説明することができます。「現状維持バイアス」とは、その名前の通り、人間は現在自分自身が置かれた状況や習慣が変わることを極端に嫌う傾向があるというものです。では、なぜ人生の様々な局面で「現状維持バイアス」が生じるのでしょか。それは現在の状況が変わることによって将来起こりうる「利益」と「不利益」を比較するとき、たとえその生起確率(実際に起こる可能性)が50%ずつであったとしても、多くの人は主観的に「利益」よりも「不利益」の方を過大に評価してしまうからです。